この記事では、C#のdatagridviewにAccessのテーブルデータとチェックボックスを表示させる方法についてご説明します。
【動画】C#のdatagridviewにAccessのテーブルデータとチェックボックスを表示させる実際の動き
本題に入る前に、まずは次の動画をご覧ください。
OleDbConnectionオブジェクトを作成し、Accessのデータベースファイルに接続するのに必要な接続文字列を参照してAccessのデータベースに接続します。
Accessのデータベースに接続したら、SQLのSELECT文を実行してテーブルデータを取得します。
取得したテーブルデータをデータテーブルに格納してDataGridViewにデータを表示します。
datagridviewにデータを表示したら、チェックボックスを表示する列を追加します。
コードの流れ
フォームとAccessのテーブルデータの例
今回は次のフォームとAccessのテーブルデータを用意しました。
フォーム上には処理を開始する実行ボタンとAccessのテーブルデータとチェックボックスを表示させるdataGridViewが設置されています。
dataGridViewには、以上のAccessのテーブルデータを表示させます。
以上のデータとチェックボックスを表示させた結果は下のとおりです。
dataGridViewにAccessのテーブルデータがとチェックボックスの列が表示されています。
C#のコード(例)
App.configのコード
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?> <configuration> <startup> <supportedRuntime version="v4.0" sku=".NETFramework,Version=v4.7.2" /> </startup> <appSettings> <!-- 接続文字列 --> <add key="DBConnString" value="Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Data Source={0}" /> <!-- Accessのデータベースファイルのパス --> <add key="DBPath" value="C:\work\10_勉強\21_C#\0027\0027.mdb" /> </appSettings> </configuration>
注目すべきコード①
最初に見て頂きたいのは8行目と11行目です。
8行目は、Accessのデータベースファイルに接続するのに必要な接続文字列を「DBConnString」というキーに設定しているコードです。
11行目は、Accessのデータベースファイルのパスを「DBPath」というキーに設定しているコードです。
「DBConnString」と「DBPath」のキーの値をフォーム側のコードが参照して使います。
フォームのコード
using System; using System.Windows.Forms; using System.Data; using System.Data.OleDb; using System.Configuration; namespace wfcs_0027 { public partial class Form1 : Form { public Form1() { InitializeComponent(); } private void button1_Click(object sender, EventArgs e) { // DataGridViewのデータソースをnullに設定して表示されているデータをクリアする dataGridView1.DataSource = null; // DataGridViewの列をクリアして表示されている列を削除する dataGridView1.Columns.Clear(); // App.configのappSettingsタグ内に記述した「DBConnString」のキーの値を取得して変数「connStrTemplate」に格納する string connStrTemplate = ConfigurationManager.AppSettings["DBConnString"]; // App.configのappSettingsタグ内に記述した「DBPath」のキーの値を取得して変数「dbPathStr」に格納する string dbPathStr = ConfigurationManager.AppSettings["DBPath"]; // connStrTemplateの{0}の部分を、「dbPathStr」の値に置き換える string connectionString = string.Format(connStrTemplate, dbPathStr); // OleDbConnectionインスタンスを生成する using (OleDbConnection connection = new OleDbConnection(connectionString)) { // Accessのデータベースファイルに接続する connection.Open(); // SQLクエリを作成します string query = "SELECT * FROM t_syain"; // OleDbCommandインスタンスを生成する using (OleDbCommand command = new OleDbCommand(query, connection)) { // OleDbDataAdapterインスタンスを生成する using (OleDbDataAdapter adapter = new OleDbDataAdapter(command)) { // DataTableインスタンスを生成する DataTable dt = new DataTable(); // データテーブルにデータを格納する adapter.Fill(dt); // DataGridViewにデータを表示する this.dataGridView1.DataSource = dt; } } // Accessのデータベースファイルの接続を閉じる connection.Close(); } // DataGridViewCheckBoxColumnのインスタンスを生成する DataGridViewCheckBoxColumn column = new DataGridViewCheckBoxColumn(); // 列のヘッダの名前に「チェック」の文字列を設定する column.Name = "チェック"; // dataGridViewにチェックボックスの列を追加する dataGridView1.Columns.Add(column); // チェックボックスの列の表示位置を列の1列目(インデックスが0)に設定する dataGridView1.Columns["チェック"].DisplayIndex = 0; } } }
注目すべきコード①
最初に見て頂きたいのは3行目から5行目です。
using System.Data; using System.Data.OleDb; using System.Configuration;
3行目の「using System.Data」はDataTableクラスを扱うのに必要な名前空間です。
DataTableクラスからインスタンスを生成し、取得したAccessのテーブルデータを格納することができます。
4行目の「using System.Data」はOleDbConnectionクラスを使うのに必要な名前空間です。
OleDbConnectionクラスからインスタンスを生成し、OleDbConnectionインスタンスのOpenメソッドを実行することでAccessのデータベースに接続することができます。
5行目の「using System.Configuration」はConfigurationManagerクラスを使うのに必要な名前空間です。
ConfigurationManagerクラスからインスタンスを生成し、ConfigurationManagerのインスタンスのAppSettingsプロパティに「App.config」のキーを指定することで、「App.config」からキーの値を取得することができます。
例えば、以下の22行目のコードの場合、AppSettingsプロパティに「DBPath」を指定しています。
string dbPathStr = ConfigurationManager.AppSettings["DBPath"];
この「DBPath」はApp.configの「DBPath」のキーを指します。
AppSettingsプロパティに「DBPath」を指定しているので、変数「dbPathStr」には「C:\work\10_勉強\21_C#\0027\0027.mdb”」が格納されます。
注目すべきコード②
次に見て頂きたいのは19行目から22行目です。
// DataGridViewのデータソースをnullに設定して表示されているデータをクリアする dataGridView1.DataSource = null; // DataGridViewの列をクリアして表示されている列を削除する dataGridView1.Columns.Clear();
コードの説明
以上のコードは、datagridviewの表示をクリアする処理のコードです。
19行目でDataSourceにnullを設定することで表示されているデータをクリアし、22行目のClearメソッドを実行することで表示されている列を削除します。
以上の2行のコードを実行することでdatagridviewの表示がクリアされます。
注目すべきコード③
次に見て頂きたいのは25行目から28行目です。
// App.configのappSettingsタグ内に記述した「DBConnString」のキーの値を取得して変数「connStrTemplate」に格納する string connStrTemplate = ConfigurationManager.AppSettings["DBConnString"]; // App.configのappSettingsタグ内に記述した「DBPath」のキーの値を取得して変数「dbPathStr」に格納する string dbPathStr = ConfigurationManager.AppSettings["DBPath"];
コードの説明
以上のコードは、App.configのappSettingsタグ内に記述した「DBConnString」「DBPath」のキーの値を取得して変数に格納するコードです。
「DBConnString」のキーの値は変数「connStrTemplate」に、「DBPath」のキーの値は変数「dbPathStr」に格納します。
注目すべきコード④
次に見て頂きたいのは31行目です。
// connStrTemplateの{0}の部分を、「dbPathStr」の値に置き換える string connectionString = string.Format(connStrTemplate, dbPathStr);
コードの説明
以上のコードは、connStrTemplateの{0}の部分を、「dbPathStr」の値に置き換える処理のコードです。
connStrTemplateの{0}の部分を、「dbPathStr」の値に置き換える、とはどういうことかというと、{0}の部分をAccessのデータベースファイルのフルパスに置き換える、ということです。
今回は接続文字列と、Accessのデータベースのフルパスを分けてそれぞれ「DBConnString」と「DBPath」とキーを分けてあるので、フォームのコード側で接続文字列と、Accessのデータベースのフルパスを一つの文字列に組み立てています。
参考までに、string.Format実行前と実行後の状態を以下にお見せします。
以上のように、{0}の部分が「C:\work\10_勉強\21_C#\0027\0027.mdb」に置き換わっています。
Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Data Source={0}
Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Data Source=C:\work\10_勉強\21_C#\0027\0027.mdb
注目すべきコード⑤
次に見て頂きたいのは34行目から37行目です。
// OleDbConnectionインスタンスを生成する using (OleDbConnection connection = new OleDbConnection(connectionString)) { // Accessのデータベースファイルに接続する connection.Open();
コードの説明
以上のコードは、OleDbConnectionオブジェクトを作成し、Accessのデータベースファイル接続している処理のコードです。
コードの詳細
34行目のコードでは、App.configから取得したAccessのデータベースファイルの接続情報(connectionString)を元にOleDbConnectionインスタンスを作成しています。
37行目のコードでは、生成したOleDbConnectionインスタンスのOpenメソッドを実行してAccessのデータベースファイルに接続しています。
注目すべきコード⑥
次に見て頂きたいのは40行目から60行目です。
// SQLクエリを作成します string query = "SELECT * FROM t_syain"; // OleDbCommandインスタンスを生成する using (OleDbCommand command = new OleDbCommand(query, connection)) { // OleDbDataAdapterインスタンスを生成する using (OleDbDataAdapter adapter = new OleDbDataAdapter(command)) { // DataTableインスタンスを生成する DataTable dt = new DataTable(); // データテーブルにデータを格納する adapter.Fill(dt); // DataGridViewにデータを表示する this.dataGridView1.DataSource = dt; } } // Accessのデータベースファイルの接続を閉じる connection.Close();
コードの説明
以上のコードは、Accessのテーブルデータを取得するSELECT文を用意して実行し、取得したAccessのテーブルデータをdataGridViewに表示する処理のコードです。
続けてAccessのデータベースファイルの接続を閉じています。
コードの詳細
40行目のコードでは、Accessのテーブルデータを取得するSELECT文を用意しています。
43行目のコードでは、SELECT文を実行するために、SELECT文とOleDbConnectionインスタンス(connection)を指定してOleDbCommandクラスからインスタンスを生成します。
46行目のコードでは、OleDbDataAdapterインスタンスを生成し、SELECT文を関連付けます。
OleDbDataAdapterインスタンスが生成されたことで、SELECT文を実行することができるようになります。
49行目のコードでは、SELECT文を実行して取得したデータを格納するのに必要なDataTableのインスタンス「dt」を生成します。
52行目のコードでは、Fillメソッドを実行するとSELECT文が実行されて、取得したデータが「dt」に格納されます。
55行目のコードでは、取得したAccessのテーブルデータをdataGridViewに表示させます。
60行目のコードでは、Accessのデータベースファイルの接続を閉じています。
注目すべきコード⑦
次に見て頂きたいのは64行目から73行目です。
// DataGridViewCheckBoxColumnのインスタンスを生成する DataGridViewCheckBoxColumn column = new DataGridViewCheckBoxColumn(); // 列のヘッダの名前に「チェック」の文字列を設定する column.Name = "チェック"; // dataGridViewにチェックボックスの列を追加する dataGridView1.Columns.Add(column); // チェックボックスの列の表示位置を列の1列目(インデックスが0)に設定する dataGridView1.Columns["チェック"].DisplayIndex = 0;
コードの説明
以上のコードは、チェックボックスを表示する列を追加する処理のコードです。
コードの詳細
64行目のコードは、DataGridViewにチェックボックス型のカラムを追加するためDataGridViewCheckBoxColumnのインスタンスの生成を行います。
DataGridViewCheckBoxColumnのインスタンスを生成することで、特定のセルにチェックボックスを持つ列をDataGridViewに追加することができます。
67行目のコードは、列のヘッダの名前に「チェック」の文字列を設定します。
70行目のコードは、datagridviewにチェックボックス列を追加するコードです。
ここまで説明した64行目から67行目の設定を元に、datagridviewにチェックボックス列を追加します。
70行目のコードでは、チェックボックス列を左から何番目に表示させるかを設定します。
DisplayIndexプロパティに0を設定すると、チェックボックス列はdatagridviewの1番左の列に表示されます。
DisplayIndexプロパティに1を設定した場合は2列目に表示されます。
動作確認
「フォームとAccessのテーブルデータの例」をご覧ください。
【注意】参照設定が必要です
一つ注意点があるのですが、先ほどのコードを動かすには参照設定が必要です。
「System.Configuration」の項目を追加しないと、「ConfigurationManager」が存在しないとのことでエラーになってしまいます。
本コードを実行する際は、「System.Configuration」の項目を追加しましょう。
最後に
この記事では、C#のdatagridviewにAccessのテーブルデータとチェックボックスを表示させる方法についてご説明しました。
C#のdatagridviewにAccessのテーブルデータとチェックボックスを表示させたいときは本記事を参考にしてみてくださいね。
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